2023年10月15日、パラエストラ大阪でAll or Nothing 02が開催されました。
今回は実際に会場に伺い、運営陣や参加された選手から話を伺いました!
All or Nothingを開催した背景や一般的なレスリングの大会との違い
All or Nothingの主催、かつWrestling Platformを運営する有元伸悟さんに、All or Nothingの概要や一般的なレスリングの大会との違いなどを伺いました。
All or Nothingを開催することになった背景
総合格闘技ジムでレスリングクラスを受け持っており、クラスに参加されている皆さんはレスリングがすごく上達しています。しかし、そこで習ったレスリングが総合格闘技や柔術の技の一つにしかなっていないのがすごくもったいないと思いました。
それに、せっかくクラスで習ったことを発表する場がなかったら、参加者は目標がない状態で練習をすることになります。例えると、テストがないのにずっと勉強をしている感じです。
加えて、「レスリングを練習する」→「試合で発表する」→「反省してまた練習する」というサイクルが回ることで上達するとも思っています。
しかし、レスリング選手以外が参加できるレスリングの大会はほとんど開催されていません。「それだったら自分が開催した方が早い」と思ってAll or Nothingを開催することになりました。
All or Nothingと一般的なレスリングの試合の違い
一番の違いは間口が広いことです。一般的なレスリングの試合は、協会登録をしなければ試合に出場できません。一方で、All or Nothingは登録は不要で、Googleフォームでポチッとすれば参加できます。あと、格闘技やレスリングを経験したことがあれば、誰でも参加可能です。
そして、試合はトーナメントではなくワンマッチとしています。「誰が一番強いか」を決めるのではなく、全員がエキシビジョンのような感覚で試合ができるのも大きな違いですね。
All or Nothing 02の理念は「マットに上がれば全員が勝者」です。レスリングにチャレンジした方を讃えたいという考え方になっています。ビギナーの人も、レスリングがめちゃくちゃ強い人も参加可能です。誰が出ても全員が活躍できる場を用意します。
あと、All or Nothing 02からは解説を入れて誰でもルールがわかるようにしたり、カメラアングルが切り替わるようなライブ配信をしたりするなど、レスリングが楽しくなるような工夫をしました。
そして、参加者は試合中の様子をカメラマンに撮影してもらい、翌日には手元に届きます。また、大会スポンサーからの特典も多く、出場を決めた時点で楽しめるような仕組みを作っているのも、一般的なレスリングの大会との違いです。
All or Nothing 02を開催することになった経緯
続けないと多くの人に見てもらえないと考えたため第2回目も開催することにしました。All or Nothingは何回も開催しないと多くの人に根付くことはありません。
僕には一気に大規模な大会を開催するようなノウハウや才能がありません。だから、まずは身内だけでもいいからミニマムに大会を開催して、回数を重ねれば見てくれる人が増えると思うし、レスリングクラスに参加されている方々の恒例行事にもなるとも考えています。
あと、「前回は出られなかったけど次回は出たい」と言ってくださる人や、前回に引き続きまた出たいという人が多数いました。「こんな楽しいことをしている」ということをいろんな人に見せるためにも第2回もやらないといけないと思い、開催することになりました。
All or Nothing 02出場選手の声
All or Nothing 02では全13試合を実施。全ての試合でハイレベルな試合が繰り広げられた中で、3選手が敢闘賞に選ばれました。試合後、敢闘賞に選ばれた3選手にお話を伺いました!
津山丈証選手
5年前までは自分もレスリング選手として活動していましたが、今回のAll or Nothing 02に参加された皆さんのレベルはすごい高いと感じました。そして、MMA選手として活躍している方のレスリング力の高さを肌で感じることができましたね。
第一回目のAll or Nothingにも出場しましたが、レスリングが少しずつ浸透していることを実感しました。All or Nothingをきっかけにレスリングがもっと人気になればいいなと願っています。
All or Nothing 03では、もし相手がいればぜひ参加させていただきたいです。
柴田紗希選手
実は、All or Nothing 02に参加することは4日前に急遽決まったんです。直前のエントリーだったんですけど、2試合もやらせていただいてどちらも勝てて。加えて敢闘賞までいただけてめっちゃ嬉しいです。
バックボーンは柔道ですが、2試合とも相手が柔道経験者だったので技がかからず手こずりました。だから、柔道技ではなく今あるレスリング技術をどれだけ出せるかを意識して試合をしました。
今はブラジリアン柔術をメインで練習しています。今後はブラジリアン柔術に活かせられるようにレスリングに取り組んでいきたいなと思っています。
濱口奏琉選手
今回、レスリングでインカレ優勝経験のある藤波諒太郎選手と戦いましたが、めっちゃ強かったです。でも、想像以上に実力が出せて、爪痕も残せたので良かったです。
特に、差しからの展開で相手を崩せたのが良かったと思います。一方で、がぶりからポイントを取りたかったけど、それができなかったので帰って練習します。
藤波選手は、レスリングで日本のトップ選手だと思います。そんな選手と戦えたことはとてもいい経験になったので、主戦場であるMMAの試合に活かしていきたいです。
All or Nothing 02解説者の感想
All or Nothing 02では解説を導入し、RIZINなどで活躍されている北方大地選手と荒東“怪獣キラー”英貴選手が解説をされました。
全試合終了後、お二方にAll or Nothing 02を観戦された感想を伺いました。
北方大地選手
正直、もう少し膠着が多いと思っていました。でも、参加された皆さんしっかりレスリングの練習をしていて、多彩な技を見ることができました。
そして、皆さん最後まで諦めず、かつレスリングを楽しんでいたのが印象的です。「All or Nothing最高だな」って思いましたね。
まだ2回目にも関わらず、この熱量でやれているのは有元くんをはじめとする関係者・選手の皆さんのおかげだと思います。大阪熱いですね!
All or Nothing 03ではメインで試合をすることになりましたが、僕が出るからにはAll or Nothingタダじゃ済ませないですよ!
荒東“怪獣キラー”英貴選手
僕は第1回目のAll or Nothingにも出ているのですが、第1回目は投げ合いが多いイメージでした。でも、今回は投げ技だけじゃなくレスリング技術も上がっていると思いましたね。
「このままいけば関西のレスリング技術がどんどん向上していくんじゃないか」と思える面白い大会でした!
最後に 〜主催者から出場した選手に向けて〜
All or Nothingに参加されている皆さんが、レスリングが上手になっているのを非常に実感しました。そして、All or Nothingは参加者ありきで大会が盛り上がって来ているんだなとも思った大会でした。
皆さんが上手になっているので「これからもAll or Nothingを続けていかないと」と、身が引き締まるような思いです(笑)。
レスリングは展開が早く、技もたくさん見られるため、ロジック的には流行るスポーツだと思っています。そんなレスリングがAll or Nothingをきっかけに波及していって、どんどん人気が出ればいいなと考えています。
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